水曜『幕末烈士エピソード・4』

スカディ

2006年12月13日 00:21

泣く子も黙る新撰組にかろうじて抗することが出来た浪士団、それは土佐脱藩の勤王党達である。
彼らは夜な夜な幕府の制札を引き抜き、鴨川に破棄していた。 幕府の威信をかけて新撰組に取締りを命じるが、彼らの取締りとは捕縛などではない。  『即斬』である・・・。
ここに【三条制札場の死闘】 安藤謙次編がはじまる。

酒に酔った八人の土佐勤王党が制札場に!  すぐさま34人の新撰組が出動した。
原田左の助隊が到着して死闘が始まるが、この日の土佐組は『別格』だった!  【土佐五十人組】と呼ばれる藩主警護で東海道を闊歩した『最強の命知らず』だった!!

序盤は土佐が優勢だったが、「土佐の長刀」が災いし、疲労から押されだす・・・。 そこに新井忠雄の12人、更には何と近藤勇指揮の10人が三条大橋で挟撃した!!

「こりゃなんともならぬ」
安藤謙次は血だらけで叫び、「逃げよ、血路を開くんじゃ」とわめきつつ新撰組隊士を自慢の『無反り三尺』で一人斬って車道に出た。  追っ手10人を前に安藤は剣を突き上げて同志に叫んだ!!

『うらがでんせん!うらがでんせん!(俺が殿戦)』と二度・・・
つまり「俺がシンガリで敵を抑えてみせるから、皆はその隙に脱出せよ!!」・・・と言うのだ。
安藤は三方からの敵を単騎迎えて構えたが、新撰組は何故かここで引く。
安藤は土佐の藩邸間近まで戻るが、深手を負い、戦地再起は不可能と感じるや門前まで帰還しながら潔しと腹を切った!!   仲間を救うために命を捨てて敵のど真ん中に一人立ち、生還しても自分が「戦力」としてもう役に立てないと思うや、長々生き長らえるより「今が死に時」と腹を切る・・・。

これこそが士魂なのである。